濾胞性ヘルパーT細胞生存の文脈依存的な制御
ハイライト
- 濾胞ヘルパーT（TFH）細胞の生存は、異なるプログラム細胞死経路によって制御されている。
- マウスとヒトのTFH細胞はフェロトーシスに感受性がある。
- P2X7Rは、腸や炎症組織などの特定の生理的条件下で、マウスやヒトのTFH細胞のパイロトーシスを媒介する。
- 細胞死経路を標的とすることは、TFHの機能を改善するためのアプローチであり、ワクチンに対するヒトの免疫応答を高める可能性がある。
濾胞ヘルパーT（TFH）細胞は、哺乳類や鳥類の高親和性抗体分泌細胞やメモリーB細胞の産生において胚中心をサポートするCD4+T細胞の特殊なサブセットである。
そのため、体液性免疫のバランスを保つために、TFH細胞の生死を制御するメカニズムが進化してきた。
最近の研究により、免疫、感染、腸内恒常性、自己免疫など様々な生理的条件下でTFH細胞の生存を支配する少なくとも2つのプログラム細胞死経路、フェロトーシスとパイロトーシスが明らかにされてきた。
我々は、細胞代謝と密接に関連する細胞死経路を介したTFH細胞生存の状況依存的制御に関する最近の主要な進歩について概説する。
このような知見は、体液性免疫の調節を目的とした新しい戦略、すなわちワクチン効果の増強に応用される可能性がある。
